ダイエット法を追い続けないために
「今年こそはダイエットを・・・」と考えているあなた!
体重が増える理由を【本当に】知っていますか?
自信を持って言えますか?
これを知らないで何か新しく始めてしまうと、体重を落とすどころか、永久に流行りのダイエット法をし続けないといけなくなるかもしれません。
ですので、これからお話することをしっかりと理解して目標を達成してもらえればと思います。
これだけは覚えておいて
体重が増えたり減ったりするときは、基本的に「エネルギー収支」のバランスが崩れたときです。
エネルギー収支とは、エネルギー摂取(食事を摂ることで栄養素の持つエネルギーを身体に取り込むこと)とエネルギー消費(運動などで身体に蓄えられたエネルギーを使うこと)のバランスのことです。
たとえば、体重が増加するときには、エネルギー収支がプラスの状態、つまりエネルギー消費量よりもエネルギー摂取量が大きいため、身体にエネルギーが蓄積される状態となっています。
逆に、痩せるときには、エネルギー収支がマイナスの状態、つまりエネルギー消費量の方がエネルギー摂取量よりも大きい状態になっているということです。
つまり、どんなに「高タンパク低脂肪」「低カロリー」「脂肪分ゼロ」だとかの身体に良さそうな食べ物を食べていたって、摂取し過ぎたらエネルギー収支がプラスになるので体重は増えるのです。
逆に、毎日スイーツやジャンクフードと呼ばれる部類の食べ物を食べていたって、適度であれば体重は増えることはありません。
ですから、食事を中心としたダイエットについては、どの食事法を選ぶかでダイエットの結果が決まってしまうわけではないので、好みで選択したらよいかと思います。
食事は【適度に】いただく
短期的な視点で考えると、食事で体重を落とすことは、運動で体重を落とすことに比べて即効性があります。
ただし、食事により「エネルギー摂取量を減らす」方法については、正直そんなに細かくしなくてもいいと考えています。
なにかに偏った特別な食事法を取り入れたり、足りないものを補うサプリメントを補給したり、食べ過ぎた食事を排出するサプリメントを摂取する必要はなく、普段の食生活を少し見直すくらいでダイエットは可能だからです。
厳しい食事制限をしたいという人は別として、食事は好きなものをおいしくいただきたい、楽しみたいという人は、食事を難しく考えないでもっとシンプルに考えてみてはどうでしょう。
なんらかの理由があって運動などで身体を動かすことができない人は、「適度な食事」を心がけることからはじめてみてはどうでしょう。
ここでいう「適度な食事」についてはいずれお話しますが、ここでは簡単に「エネルギー消費量を上回らない程度の食事」とだけお伝えしておきます。
「エネルギー収支のバランス」さえ崩れなければ、よっぽどでない限りどんな食事法でも一定の効果は期待できますよ。
ただし、食事だけでのダイエットにはデメリットもありますので注意も必要です。取り組む前には、デメリットもしっかりと理解してから取り組むことが大切です。
ではここから、体重を減らすためにあなたが増やさないといけない、「エネルギー消費量」についてお話します。
余計なエネルギーは取らない
エネルギー消費量についてお話しする前に、ダイエットをしている人ならほとんどの方が気にしているカロリーについて。
「カロリー(cal)」は、食品などに表示されているエネルギー量(熱量)の単位です。定義では、1gの水の温度を標準大気圧下で1℃(14.5℃から1℃)上昇させるのに必要な熱量とされています。
つまり、1キロカロリー(kcal)は、1L(1000㏄)の水を1℃上昇させるのに必要な熱量となります。キロカロリー(kcal)はカロリー(cal)の1000倍です。
たとえば、みなさんも大好き(?)なラーメンのカロリー(ここでは味噌ラーメンで計算します)、大体平均すると600~700キロカロリーのエネルギー量を持っています。これは、600Lの水の温度を1℃上昇させることができるエネルギー量ということになります。
では、この味噌ラーメン1杯分のエネルギー量を消費するためには、どれくらいの運動が必要になると思いますか?
そして、体脂肪を1kg落とそうした場合、どのくらいの運動が必要になると思いますか?
エネルギーの消費量は、①基礎代謝量、②食事誘発性熱生産、③活動時代謝量、と大きく3つに分けられるのですが、ここでは③活動時代謝量に含まれる、運動によるエネルギー消費で考えていきます。
運動をすると、体内に蓄えられているエネルギー源が使われ、その分体重が減少することになります。
運動時には、呼吸により体内に取り込んだ酸素と食事から摂取した糖や脂質を反応させることにより、必要なエネルギーをつくり出しています。
この時に必要なエネルギーとは、生命活動を維持したり、運動をしたりするエネルギーです。
運動時のエネルギー消費量は、体内に取り込まれた酸素の量と中学校(?)で習った化学式から計算することができるのですが、・・・ややこしいので計算はここでは省きますね(笑)
で、先程の味噌ラーメン1杯分のエネルギー(600キロカロリー)を、体重60kgの一般的な20代の成人男性が消費しようとした場合、どのくらいの運動が必要になるのか。
運動はジョギングとして計算してみると・・・
な な な なんと!
80分のジョギングが必要な計算になります!
「走れるか!」ってなりませんか(爆)?
ジョギングをする前から挫けそうになってしまいます。
では、体脂肪を1kg落とそうとした場合には、ジョギングを何分しなければいけないのでしょうか?
脂質は1gあたり9キロカロリーのエネルギーを持つものとして計算されます。
ちなみに、糖質とタンパク質は1gあたり4キロカロリーなので、脂質を摂取し過ぎることがどれほど太りやすいかわかるかと思います。
ここでも、詳しい計算過程は省きますが、脂肪組織1kgには7200キロカロリーのエネルギー量が蓄えられていることになります。
7200キロカロリーをすべて消費するには・・・
・・・・・・およそ16時間のジョギングが必要になります・・・・・・。
・・・絶句・・・したんじゃないでしょうか(笑)。
16時間なんて言われると、「無理」「不可能でしょ」といった絶望的なイメージしか浮かんでこないと思います。
一気にしようと考えない
味噌ラーメン1杯で600キロカロリー・・・それを消費するのに80分のジョギング・・・・・・。
脂肪1kgで7200キロカロリー・・・それを消費するのに16時間のジョギング・・・・・・。
これだけみると本当に絶望的になりますね。
しかも、実際に落としたい体重は1kg程度ではないはずなので・・・。
でも、大丈夫ですよ!安心してください!
急がなければ確実に、体重は落とせます!
ところで、あなたには、体重を短期間で落とさなければならない理由がありますか?
もしそんな理由がないのなら、焦らないで長期的に取り組んでみてはどうでしょう。
一気にやろうとするから絶望的に感じてしまうのですよ。
無理して一気にしようとしなければ、一般的に伝えられているほど頑張らなくたっていいことに気がつくはずです。
たとえば、1年かけて落とそうとした場合、16時間を365日で割って、1日あたり約3分程度のジョギングでよい計算になります。
よく、「ジョギングは20分以上続けないと脂肪が使われない」みたいな話を耳にします。やる気を失わせるようなフレーズですよね(笑)。
しかし、これは間違いで、実際には脂肪も使われています。15~20分あたりから糖質を使う割合よりも脂質を使う割合の方が多くなりますよという話です。
ですから、【3分程度の運動でも脂質は使われる】ということをきちんと理解しておいてください。
3分だからとバカにしないで、「3分でも意味がある」んだと動いてみることがポイントです。
続けることで、「毎日1時間も走らなくてよかったんだ」「毎日ジムに行かなくてよかったんだ」「休むと体重が元に戻るようで休めなかった」だとか、誤った固定観念が崩されていくはずですよ。
※同じような運動時間でも脂肪を効率よく使うための方法はありますが、ここでは、一般の多くの方が取り組んでいるジョギングでお話をしています。
食事制限って好きですか?
ここでまた、食事の話をします。
食事はあまり神経質にならずに、身体に必要な分を美味しくいただくことをお勧めしています。
というのも、先程の脂肪1kg分7200キロカロリーを1年365日かけて落とすには約3分程度のジョギングで良いという話、あれを逆にいうと、毎日たったの20キロカロリーずつでも、食事を必要以上に多く摂取するだけで、1年後には体脂肪が1kg増えるということだからです。
20キロカロリーというのは、クッキー1枚程度。
ですから、「ちょっとだから大丈夫よね」「お腹いっぱいだけど残すのがもったいないから」「頑張ったからご褒美」みたいなことを毎日続けていたら、1年後には体脂肪が1kg増えてしまいます。
これは、無意識のうちにやってしまっている人が結構いるのではないでしょうか?
1年に体重が5kg以上増えてしまっている人は、余計なカロリーを必要以上に摂取し過ぎていると考えられます。
ダイエットを終わらせるには、自分の現状を正しく認識することが必要になります。
認識が甘かった人は、先程の「適度な食事」を心がけながら、つまみ食いは毎日はしないを早速実践されてみてはどうでしょう。
ダイエットは頑張って続けるもの?
「今年こそはダイエットを・・・」と考えているあなた、ここまでお読みいただきありがとうございます。
お読みいただいている内容は、あなたのダイエットに関する認識と同じでしたか?
すでに知っている情報で、効率的にダイエットに取り組まれていましたか?
それとも・・・・・・。
今回お話した内容を知っただけでも、余計な不安はかなり取り除かれたのではないでしょうか。
知らないからやり過ぎてしまっていたことも、今日からやめられるかもしれませんね。
科学的にわかっていることを知ったうえで論理的に考えていくと選択肢がどんどん削られていき、耳障りのいい謳い文句、いわゆる詐欺的な方法には引っ掛からなくなるように思います。
残った選択肢の中から、より効率的に目的を達成できそうな方法、かつ、よりあなたに適している方法を探して動いてみることが、あなたのダイエットを成功に導く鍵になるように思います。
ぜひ、今回お伝えしたダイエットの本質を知ったうえで、何かをはじめてみてください。
そして、今年こそ、ダイエット選びを終わらせてください。
ちなみに、当院では、トレーニングを日常生活の場にしてしまい、あなたの習慣を変えてしまいます。
意思が弱いと思われている人でも一人で続けられますよ。
興味がありましたら、どうぞこちらをご覧になってください。