先日のブログの内容は、栄養学では本当に基礎中の基礎、当たり前の内容です。本を書いている著者が違っても、お話していることはほとんど同じです。
食事に関するダイエット法は、「○○○○がいけない」「○○はダメ」「○○以外はOK」などと、〝制限〟しているものが多いように思います。
しかし、それもどんどん調べていくと・・・、
そのダイエット法を勧めている団体ではNGだけど、他の団体ではOKであったりします。
そして、どんなダイエット法でも、成功している人と失敗している人がいます。
その方法を絶賛している人もいれば、批判している人もいる。
ネットで調べているとおそらく、ふつうに、「どのダイエット法が正しいの?」って思いませんか?
選ぶのが難しいと思います。
情報があり過ぎていて選べない・・・私もそうなります。
私には、「絶対!これが正しいです!」なんて言いきることは、「絶対にできません!」これは言いきりますが(笑)
それでは、そんな時に知っていると役に立つかもしれない話を。
「脳の機能」を知ることで、視野を広く保つ
カクテルパーティー効果とは?
カクテルパーティー効果(現象)とは、自分にとって重要な情報は雑音・雑談の中でも自然と聞き取ることができる現象のことです。
例えば、大勢の人が集まる結婚式の2次会や会社の飲み会にあなたが出席しているとしましょう。
そのような場は、ガヤガヤ騒がしく、大きな声で話さないと話ができませんよね。
ですが、そんな騒がしい空間に身を置いていても、会話をしている相手の声が聞こえないなんてことはありません。
あなたとちょっと離れている席で、あなたの名前や、興味のある人の名前が出て、ピクッと反応したりとか・・・重要な情報は、他の情報に比べて聞き取れてしまうのです。
この効果は聴覚情報だけではなく、視覚情報、触覚情報など広範囲な情報にも当てはまることがわかってきているようです。
つまり、人は自分の見たいものを見て、聞きたいことを聞いて、感じたいことを感じるということです。
なんでこんなことが起こるのか?
それは、全ての情報を取り入れようとしたら、脳の処理能力がとても追いつかないから。
脳は人の身体の中で最もエネルギーを必要とする器官です。
もし、脳が全ての情報を処理しようと本気で働いたのなら、その瞬間に本人が餓死するほどのエネルギーを消費してしまうようです。
それを避けるために、脳はフィルターをかけて、自分にとって都合の良い情報だけを取り入れているのです。
このようにして、人は自分にとって重要な情報だけを見たり、聞いたり、感じたりしています。
あなたも、無意識にそんな選択をしているかも!?
「脳の機能」についてお話したところで、ちょっとイメージしてみてください。
あなたは今、ダイエット法を探しているとします。
いくつかのダイエット法を調べています。
理論のおかしなところは、よっぽどの専門知識がなければ探すことはできません。
ですから、あなたは、〝有名人の〇〇さんもやっている!〟や〝ビフォーアフター写真〟に魅了されて、「これはいいかも」と共感して、選ぶのではないでしょうか。
逆に、その方法を選ばない理由は、〝友人の△△さんがこれで失敗したって言っていた〟や、シーズンごとに変わる〝テレビで××はダメって言っていた〟などではないでしょうか。
話を続けて、
ダイエット法を選んだあなたには、その後、その主張を肯定する文章や成功者の声ばかりが目に入ってくるようになります。
先程お話した、「カクテルパーティー効果」によるものです。
しばらくすると、その主張全てを受け入れてしまう心理状態になってしまうので、
「そもそもなんでそうなるの?」
「これって本当にそんな効果が認められているの?」
「あちらの主張していることと大差ないのでは?」
などのふつうに浮かんでくる疑問でさえも出てこなくなってしまいます。
あなたの信じている主張と反対のことを書いてある文章を目にすると、不安になったり、怒りをおぼえたりするかもしれません。
「何だかむこうが正しかも・・・」と、ふと冷静になったとしても、これまで続けてきた時間やお金のことを考えると、見なかったことにしてしまいがいに・・・。
変化を嫌う「脳の機能」です。
これといった理由がないのなら・・・
あなたは、
「どんな身体になりたいと考えていますか?」
「そのために食事制限をするのですか?」
「食事制限が好きでずっと続けられそうですか?」
食事制限と聞いてワクワクしているのなら、あなたには合っているのかもしれません。どのダイエット法を選ぶかで、食べるものが決まってしまうという生活も楽しめるかもしれません。
健康診断や検査で身体のどこかに数値の異常が見つかって、ドクターストップがかかった場合などは別ですが、好きな物を〝好きなように〟食べられる身体なんだから、〝自由〟に食事をした方がもっと楽しい気がします。
よく吟味して選ぶ。そして、違うと感じたら別の選択肢を再度吟味してみる。
ダイエットに限らず何かを選択する時、今回お話した「カクテルパーティー効果」のことを知っていると、広い視野で吟味ができ、満足のいく選択ができるかもしれませんよ。
仮に選んだのが違っていたとしても、しょせんは小さな失敗の一つです。
別の選択肢をみる余裕を持つことで失敗をし続けなくてすみますので、時間が経過したら笑い話にしてしまいましょう。