筋肉を効率的に温めるには・・・
日頃から体を動かす習慣のある人も、そうでない人も、ランニングや筋力トレーニングなど、なんらかの運動する前には、ウォーミングアップをするのではないでしょうか。
もちろん理由は、いきなり激しい運動をすることにより、筋肉を傷めてしまう恐れがあるからですよね。
体を温めずに急激な運動をすることでのケガを避けたいわけです。
ウォーミングアップとは、その名の通り体を温めるためのものです。
ウォーミングアップをすることで、血液循環を良くし、筋肉を十分に温めことができます。
筋肉を温めることで、可動域いっぱいで、伸ばされたり縮んだりすることができるようになります。
私たちの体は、安静時、筋肉には体内に流れている血液のおよそ15%程度しか供給されていません。
安静時には、脳や内臓などのほうに多くの血液が巡っています。
ところが、運動始めると、筋肉がより多くの血液を必要とします。
体を動かすのには筋肉の働きが必要で、筋肉が体を動かすメインとなるからです。
血液が酸素や栄養素を運んできてくれないと、筋肉は動くことができません。
そんな理由もあって、運動前にウォーミングアップをし体を温めて、全身の筋肉の血液循環を良くしておくことで、運動パフォーマンスを向上することができます。
ランニングの場合、ウォーミングアップをしないでいきなり早いペースで走り出したりすると、筋肉と関節の動きが悪く、思ったようなペースで走れないばかりか、ケガの原因になる恐れがあります。
筋トレの場合も同様に、ウォーミングアップなしでいきなり重いウエイトを挙げるのは危険が伴います。
しかし、だからといってウォーミングアップのためにストレッチをするというのはお勧めではありません。
なぜなら、血液循環を促すという観点からみると、静的ストレッチはあまり効率がいいとはいえないから。
つまり、
血液循環を良くして筋肉を温めるのが目的なら、静的ストレッチより効率的な方法がありますよ!
ということです。
このことは、ウォーミングアップの重要性を理解している人たちでさえ、「運動前にはストレッチでウォーミングアップをする」と誤解して捉えているケースが少なくないように思います。
これまで、「体を温めるにはストレッチ」と信じてきた人にとっては、「えっ!?そうなの!?」と、驚いてしまう内容かもしれません。
ですが、実際のところそうなのです。
筋肉が温まらないうちにストレッチをして、無理やり筋肉を伸ばしてしまったせいで、ミクロのレベルで微小な傷が入り筋肉を損傷してしまうことがないようにしてくださいね。
もし、運動前に静的ストレッチをするなら、ウォーミングアップをした後にするのがお勧めですよ。
では、体を温めるためにウォーミングアップをするには、何をすれば良いのか・・・
答えは簡単、ウォーキングをすればいいのです。
筋肉は温かい方が伸びやすい性質があります。
全身の筋肉のおよそ3分の2は下半身に集中していますから、ウォーキングで下半身をゆっくりと動かし続けることで、筋肉の血液循環が良くなり効率的に体が温まり、筋肉が伸びやすくなります。
ウォーキングをするといっても、お酒を飲んだ時のようにタラタラ歩くのは、あまり効率的ではありません。
逆に、ウォーキングがジョギングのように早過ぎるペースになってしまっては、筋肉が温まる前に本格的な運動になってしまうことになります。
それでは、筋肉に急激な負担をかけてしまうことになり、筋肉を損傷してしまう可能性があります。
ウォーキングでのウォーミングアップは、息が切れない程度のゆっくりとしたペースを目安にするといいですよ。
また、ウォーミングアップはそのペースに加えて、どれぐらいの時間行うのかも大切なポイントになります。
専門的な研究によると、ウォーキングで体を温めてストレッチにふさわしい体内環境を整えるには、季節の寒暖差にかかわらず、最低でも15分間程度続けるべきだとの報告もあります。
体が冷えきっている冬場はもちろんのこと、じっとしていても汗が吹き出てくるような真夏でも、安静時には筋肉が十分には温まっていません。
ストレッチ前のウォーミングアップには、15分間くらい時間をかけてあげてくださいね。
「体の内側から熱くなるのを感じて、汗がじんわりと出てくるくらい」を目安にするといいですよ。
効率的に体を温めて、ケガをすることなく趣味を楽しまれてくださいね。